自動車保険の更新の時期がやってきました。あまり車に乗らないので、出来るだけ補償内容を最低限に抑えて保険料を安くしようと思っています。そこで現在、人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険の両方に加入していますが、補償内容が似たような感じなので、どちらか一方を解約しようと考えています。ただ、どちらも補償内容がいまいち理解できていないので、どちらを外そうか迷っています。どちらを外すのが良いですか?
保険料を抑えたいのであれば人身傷害補償保険を外すべきです
「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害保険」、どちらも事故の際に、契約している車に乗車しているドライバーに対して補償する保険になりますので、質問者さんの様に、この二つの保険の違いが分からない人も多いのではないでしょうか?
搭乗者傷害保険とは?
搭乗者傷害保険とは、契約の自動車に搭乗中のドライバー(同乗者や家族を含む)が自動車事故で死傷(死亡・後遺障害・傷害)した場合に、治療費や収入にかかわらず契約時に定めた金額が支払われる保険のことをいいます。
ちなみに「搭乗者」とは、運転している車の乗っている全ての人を指します。但し、5人乗りの車に6人乗っていたり、トラックの荷台に乗っている場合など、正規の乗り方をしていない場合は補償の対象となりませんので注意して下さい。
保険金の例
症状 | 保険料 |
---|---|
頭部の打撲 | 5万円 |
頭部の骨折 | 60万円 |
手指の打撲 | 5万円 |
手指の脱臼 | 20万円 |
補償されない主な範囲
- 被保険者の故意または重大な過失によって生じた傷害
- 無資格運転、酒気帯び運転または麻薬等により正常な運転ができないおそれのある状態で運転している場合に生じた傷害
- 地震、噴火、津波によって生じた傷害
人身傷害補償保険とは?
人身傷害補償保険とは、契約した車に乗車中のドライバー(同乗者や家族を含む)が、自動車事故で死傷(死亡・後遺障害・傷害)した場合に支払われる保険で、一見すると、搭乗者傷害保険と同様に思えます。
ただ、人身傷害補償保険は、過失の有無に関わらず損害額を補償するのが大きな特徴です。過失利益(もし生きていたら将来的に得られたであろう利益)も活きてくるので、同じ事故内容であっても、年収や年齢が違えば貰える保険金が変わるということになります。
対人賠償保険の裏返しと思ってもらえれば分かりやすいかもしれませんね。
二つの比較(まとめ)
テーブルヘッダ | 搭乗者傷害保険 | 人身傷害補償保険 |
---|---|---|
保険料(概算) | 保険料+数% | 保険料+10%程 |
補償額 | 定額 | 保険会社が設定した保険金額を上限に実際の損害額を100%負担 |
支払いスピード | 保険金が一定なので早い(治療を待たずに受け取れる) | 保険金が決定するのに時間がかかるので遅い(治療が終わってから受け取れる) |
加入率 | 任意保険加入者の約8割 | 任意保険加入者の約8割~9割 |
結局どっちが良いの?
ここまで聞くと、搭乗者傷害保険よりだいぶ優れているので、人身傷害補償保険を付けた方が良いのでは?と思うかもしれませんが、人身傷害補償保険は補償が厚い分、保険料も割高になりますので、コストパフォーマンスで考えれば搭乗者傷害保険を選択した方が良いでしょう。
ちなみに、搭乗者傷害保険の加入率は任意保険加入者の約8割、人身傷害補償保険は約8割~9割以上のドライバーが加入していることを考えると、どちらも加入しているドライバーが圧倒的に多いことが分かります。